自宅でもカラーってできます。
それもだいたいきれいに染まります。
昔と違って技術も進化しているので、失敗も少なくなってきているはずです。
自宅でやるカラーと美容室でやるカラーの違いって何だろう?
なんであんなに値段が違うのかな?って思いませんか?
ヘアカラーの仕組みを理解していくとその違いがわかるかもしれません。
美容室のカラーのほうが髪を大事に扱ってダメージ最小限で希望の色にする
結論から言うとこうなります。
美容ディーラーでたくさんのカラー剤を見て、カラーや毛髪の知識の勉強をしてきているので、これは断言できます。
髪の毛ってね、ケガしても治っていく人間の体のようにはならないんですよね。
傷つくとそのままです。元には戻りません。
だからいたわってあげないと、毛先が枝毛や切れ毛、はねる、広がる…となるんですね。
なぜなら、髪を染めるときの手順からすでに違うから
工程から違います。
美容室のカラーは、根元を染めるカラーと毛先に染めるカラーを分けています。
これはなぜでしょう?
これは、根本は明るくしないといけないのでパワーが必要です。
でも毛先は根元ほどのパワーは必要ない。
それをプロの目で見極めて塗分けているんですね。
理由は、もちろんダメージを最小限に抑えるためですね。
自宅で染めるカラーでは、この塗り分けをする場所を見極めることはできません。
根元には根本用…中間から毛先には専用の…毛先のダメージが目立つ場合はさらに毛先専用の…そうやってプロの技で塗分けているんですよね。
それ以外にも、些細な点で大きな違いもあるんです。それはカラーの染まる仕組みを理解すれば見えてくるかもしれません。
カラーの染まる仕組みとその違い
カラーが染まる仕組みって言われてもピンとこないですよね。
実はカラーって結構科学的なことをしています。
カラー剤は染まる元になるものが入っている「1剤」といわれるものと
それを活性化させる「2剤」というものに別れています。
自宅用カラーも分かれていますよね。そこは一緒です。
その分かれているものを混ぜて化学反応させて髪に色を付けていくんですね。
厳密にいうと、
- 色を抜く
- 色を付ける
という2つの工程を同時進行でやっているんですね。
図で表すとこんな感じです。
出展:DEMI
臭いの違い
カラー剤が染まる流れは、大きく3つに分かれます。
①アルカリ剤(ツーンとする臭いの元です)の力でキューティクルが浮き上がる。
②アルカリ剤と2剤の過酸化水素が反応してメラニンを破壊する。(ブリーチをする)
③染料と過酸化水素が反応して発色する。
この流れです。
え?家でやるカラーってそんなにツーンとしたにおいするかな?
そうですよね。でもね、ここ、大事なポイントです。
美容室のカラーは基本的に独特のにおいがします。
でも、これにはちゃんと理由があるんですね。
主にアルカリ剤が臭いの元なんですが、「モノエタノールアミン」というものを使えば、ほぼ無臭でカラー剤が作れます。
それに対して美容室で使われているスタンダードは「アンモニア」です。
じゃあなぜそれを使わないの?と思うかもしれませんが、それは「ダメージさせないため」なんですね。
「モノエタノールアミン」は無臭ですが髪にずっと残りやすいです。残るということは、上の図のような破壊が持続的に進んでしまうのでダメージにつながりやすくなります。
それに比べてアンモニアは揮発性が高いので、どんどん勝手に揮発してゼロになってくれます。
あとあとのことを考えると…という選択なんですね。
脱色の違い
自宅で行うカラーと美容室で行うカラーでもう一つ大きな違いがあるとすればここです。
プロの目で見極めて行うカラーと誰が使っても希望の色味と明るさに仕上げないといけないカラー。この違いは脱色の仕方に表れてきます。
例えば10LVの明るさにしたいという人がいた場合…
・市販品でよくあるカラーの染まり方はこうなっています。
美容室で行うカラーはこうなっています。
違いがわかりますか?
できるだけ少ないブリーチ力で色を入れているものと大きなブリーチ力で色を入れているものの違いですね。
市販品は、事前に元の髪の状態を判断することができません。
だから、強めにブリーチしてたくさん染料を入れるんです。
希望の仕上がりは一緒かもしれませんが、その後のダメージ度合いがぐっと変わります。
特に毛先に関しては状況を見てブリーチ力は最小限にします。
市販品で白髪染めを繰り返している人の髪の毛がどんどん明るくなっていく理由がなんとなくわかりましたか?
きれいに染まるのは一緒です。違いはあくまでダメージなんですよね。
染料の違い
今は市販用とプロ用で大差がないかもしれないけど、染料も昔はかなり違っていました。
カラー剤って出したときは真っ白ですよね。
それが時間とともに色が変化してきます。
これは「酸化重合」という化学反応なんですが、簡単にいうと、ものすごく小さい色の粒が時間とともに磁石のようにくっついて色として見えるようになるという反応です。
なぜこんな仕組みかというと、カラーの色味を長持ちさせるためなんですね。
ものすごく小さな粒が中でくっついて大きくなっていけば、髪の毛の中から出ていきにくくなります。
小さいままだと、入ってもすぐにキューティクルのすき間から出てしまいます。
だから、あえて時間はかかるけどこういう処方をしているんですね。
カラー剤を出したときに初めから赤色とか黄色の色が出ているカラーは、色の長持ちはしないもんだと思ったほうが賢明だと思います。
カラーって奥が深いでしょう?
だからカラーを塗った後にじーっと待ってる時間には結構ちゃんと意味があるってことなんですよ。
美容室ではカラー後にもうひと手間加えている
カラーの違いはなんとなく伝わったんじゃないでしょうか?
美容室ではカラー以外にも最後にもうひと手間加えています。それは、
「髪をできるだけ元の状態に戻すこと。」
カラー剤はアルカリ性なので、このままだとキューティクルが開いたまんまです。
キューティクルが開いていると、引っ掛かりの原因にもなるし、髪も傷みます。
だから、カラーの後にシャンプー台で「バッファー」という作業をするんですね。
シャンプー前につけて何かもみこんでたらそれがバッファーです。
つまり何をしているかというと、アルカリ性に傾いた髪をもとに戻しているんですね。
髪を来た時と同じように戻してあげる。このひと手間で大きく変わります。
全てはダメージをさせないために…。
希望の色にしてくれる。
ムラなく染まる。
それ以外にもこれだけの工夫があってのプロのカラーなんですね。
値段の違いもなんとなく納得できたでしょうか?
きれいに楽しくカラーを楽しみ続けるために、美容室でカラーしましょっ!
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